日本では、労働環境の改善を目指して各企業並びに政府が策を練っているが、その一方で一向に改善が見られない業種もある。
その一つが介護職である。
慢性的な人材不足と高齢化社会による二重苦で、労働基準法通りの働き方をしたくてもできないのが現状だ。
例えば、労働基準法では週に40時間、一日に8時間以上の労働は基本的に違法だと定められている。
残業は第36条に記載されている、いわば特例的な処置なのだが、それがなければ施設運営が難しくなる。
そのために、異常な長時間労働や勤務時間外のサービス残業などを強いられている。
このほか、利用者やスタッフ間でのハラスメントの問題もあり、働く介護職たちは過酷な環境に身を置いているのだ。
こういった場合、まずは身近な上司に相談し、対応してもらえるか確認を行う。
それと並行して、法令違反やハラスメントの物的証拠を確保する。
書類や録音、録画などのデータを残しておけば、万が一の場合に優位に働く。
そして上司に相談した後は、まず業務や労働環境の改善を図るようにする。
仕事の効率化や対応スタッフの交代によって状況が改善する場合もある。
しかし、上司に明確な改善意思がない場合や問題が継続する場合は、先ほどの証拠とともに労働基準監督署や法律事務所に相談しよう。
労働基準法はその名の通り労働におけるもっとも重要な基準であり、これに違反した場合は改善命令や罰則が科せられる。
また、ハラスメントには刑事罰が科される場合もある。

このような対処法を覚えておけば、いざというときに慌てずに対処できるだろう。